『ソーイングビー』が熱い
毎週木曜日の午後9時から、NHKのEテレで放送中の『ソーイングビー』は、イギリスの素人参加型裁縫コンテスト番組です。
ソーイングビーのビー(bee)とは、ハチがブンブン集まるように、みんなでワイワイと集まると言う意味らしい。
家庭での裁縫が当たり前だった1950年代のイギリスでは、各地で盛んに裁縫の集いが行われていたことからこのタイトルとなりました。
コンテストと言っても、ただ裁縫の技術や仕上がりを競うのではなく、毎回課題があって、時間内に仕上げたものを審査員が厳しく審査してひとりずつ落とされていき、最後に優勝者が決まると言う仕組みです。
番組内で紹介される参加者の普段の姿、家族からのメッセージなどでだいたいの人となりがわかります。
10人の参加者で始まる初回は、当然お互いがライバルですから、どことなくまだよそよそしい雰囲気です。
80歳代の女性、元軍隊で爆弾処理班にいた女性、松葉杖の警察官、乗馬のインストラクターなどなど、多彩な経歴の人たちが少しずつ距離を置いての開始です。
課題は、型紙から指示どおりに仕上げる、古着やカーテンなどをリメイクする、そして最後はモデルサイズの洋服というようなもので、ジャケットやネクタイや水着などもあります。
こうして課題が進んでいく中で、参加者の間に連帯感と友情が沸いてきて、裁縫道具を貸し借りしたり、わからないところを教え合ったり、仮縫いを手伝ったりと緊張感の中にほのぼのした場面が見られて、これがたまらなくおもしろいんです。
また、サプライズとしてモデルに参加者の家族や友人が予告なく登場することもあって、これはちょっと見ものです。
基本的な技術が優れている人、型紙を一切使わない人、リメイクで思い切ったデザインを披露する人、オートクチュールで力を発揮する人、参加者のキャラに慣れたころに審査結果の発表。
「今日このソーイングルームを去るのは・・・」の場面ではちょっとうるうるしたりします。
そしてこの番組でのもうひとつの魅力が審査員。
ふたりいて、ひとりは裁縫学校の教授の女性、その後のシーズン3では老デザイナーの女性に変わりましたが、シーズン1から共通の審査員はパトリック・グラントというイギリスの高級テーラーの経営者でデザイナーの男性、この人がと~っても紳士的で、仕立てのいいスーツで登場して、やわらかく厳しい意見で作品を評価します。
吹き抜けの2階の回廊から、もうひとりの審査員エズメと一緒に会場を見下ろして、作業をチェックしていることもあります。
シーズン1、2を経て、今はシーズン3、最初10人いた参加者がだんだん減っていよいよ決勝戦、個人的に応援していたおばちゃんが去って、さて誰が優勝するのか、明日の晩は見ものです。
この番組で刺激されたわけではないのですが、もっと気楽に裁縫を楽しもうという思いが沸いてきて、出番のなかった長袖のカットソーを半袖にしたりすそを短くしたり、なかなか楽しくミシンを使っています。
わたしのソーイングルームの一部、というかミシンを使うときだけテレビを押しのけている。
せめて布地を切ったりアイロンを使ったりできるくらいのテーブルを置きたいものです。
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