八犬伝
映画を見に行くと、本編の前に近日公開作品の紹介があり、わたしはこれを観るのが好きで、次はこれ観ようと脳にメモして、ロビーにチラシがあればもらって帰ったりします。
そして最近、この近日公開作品紹介に刺激されて毎週ほど映画館へ足を運んでいるのです。
今回観たのはこれです。
本来の八犬伝・・・宿縁に導かれた八人の剣士たちが闘いを繰り広げる物語の世界と、その執筆に執念を燃やす戯作者の滝沢馬琴の生涯を絡めて描かれています。
栗山千明演じる玉梓がよかったなぁ、すごい迫力。
ただの悪女ではない、長年の怨念の塊を堂々としかも妖艶に迫力ある演技でした。
この人、独特の世界観を演じるいい俳優さんですね。
ところで・・・
わたしが中学生か高校生のころ、NHKで里見八犬伝の人形劇がありました。
辻村ジュサブロー作の人形は、お姫さまの衣装や髪飾りがしゃらしゃら揺れる様は美しく、妖怪の女がおどろおどろに変化していく様は怖かったものでした。
毎回欠かさず観ていたわけではないけど、夕方帰りの遅い男どものことは待たずに、母とふたりで晩ご飯を食べるのが習慣で、当時は家にテレビが1台しかなくて、それは台所ではなかったので、ご飯やおかずをお盆に乗せてテレビのある部屋へ運び、ご飯を食べながら観ていたのです。
あのころの八犬伝は、8人の剣士ひとりひとりが丁寧に描かれていて、出会っていてもお互い八剣士だとは気づかなかったりしてやきもき。
母もわたしもお気に入りの剣士がいて、今で言う『推し』を応援したり。
悪い妖怪の玉梓が本当に怖くて「わぁ、出たぁ」と大騒ぎしたり。
わたしの帰りが遅い日は、帰ってから母にどんなストーリーだったか聞いていました。
録画機能などなかった時代のささやかな楽しみ、今回の映画も懐かしさいっぱいで楽しめました。
*画像は映画公式からお借りしました。
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コメント
れいちさん
その後体調はいかがですか?
やはりコロナ、感染力は強いのですね。
接客業の私、最近耳ゴミのきついマスクをうっかりしてしまうと外すことがあったのですが、やはり気をひきしめていこうと思います。
ところで映画の「八犬伝」、面白そうですね。私もNHKで「新八犬伝」見ていました。同じく見ていた同級生と「仁義礼智忠信孝悌!」と唱和しておりました(笑)
何と言っても元は「南総里見八犬伝」、千葉県人としては何か、盛り上がっていたのですね。
それにしてもすごすぎる、滝沢馬琴
28年間にわたる「八犬伝」の執筆、失明してもなお書き続けて完成させた執念…
そして、200年近く経った現代で映画化されるって…人間の想像力は時を超えるのですね。
投稿: 秀子 | 2024年11月19日 (火) 12時22分
秀子さん
当時のNHK人形劇はいい作品が続いてましたよね。
わたしは新八犬伝が印象に残っていますけど、母は真田十勇士とか、そうそう紅孔雀も熱心に観ていましたっけ。
人形劇を通じて、歴史を学ぶいい機会でしたね。
今なら録画して一気に観ることもできる、いい時代になったものです。
さて、映画は、あまり事前情報を持たないで観ましたら、八犬伝の話だけじゃなく、滝沢馬琴の生涯も織り込んであったんですねぇ、知らんかった。
目が見えなくなってから、早逝した息子の嫁に口伝で書いてもらう、その嫁はあまり漢字が得意ではなく、舅の叱責を受けながらも書くんですよ。
この素晴らしい物語を後世に残さねば、との思いだけで。
ここらへん、黒木華がうまい。
日本髪を結わせたら彼女ほど似合う女性はいないと思います。
(大河の平安美人もはまり役ですね)
>「仁義礼智忠信孝悌!」と唱和しておりました(笑)
ん十年たってもすんなり出てくるもんですね(笑)(笑)
投稿: れいち | 2024年11月20日 (水) 17時05分