幕末の動乱期を経て時代は明治となり、それまで京都におわしました天皇が東京へ移られました。
それから45年、近代日本の指導者として国力の増強に注力された天皇は59歳でその生涯を終えられました。
15歳まで過ごした京都での暮らしが忘れがたく、京都弁を話し、死後は京都にその御霊を祀ってほしいとの御遺志どおり、御霊は京都の街を一望できる伏見桃山陵(ふしみももやまのみささぎ)に祀られました。
伏見桃山陵へ行ったことは こちら に書いています。
しかし、御霊は京都に祀られようとも東京に天皇を祀る神社の創建を求める声は多く、特にその中心となったのは実業家の渋沢栄一でした。
ここから明治天皇と皇太后を御祭神とする明治神宮の造営が始まりました。
学者先生たちが寄って100年先まで残る神宮の森造りのためには針葉樹より照葉樹がよいと椎、樫、楠など全国から10万本の樹木が献上され、植樹の勤労奉仕の青年団員は延べ11万人に上り、大正9年に神宮の森は完成しました。
この先人たちの苦労や思い入れは朝井まかての『落陽』に描かれています。
最近、この明治神宮の森に球場とラグビー場を入れ替えて建て替え、高層ビル、ホテルを建設などなど・・・このために森の木を伐採するという再開発の計画があるそうなのです。
ユネスコや著名人の反対により延期になってはいますが、いつなんどき計画が執行されるかもしれない、こりゃ早く見ておこうと出かけました。
お天気のいい午前中(のちに述べますがこの午前中というのが重要)鳥居をくぐると次第に街の喧騒、電車や車の音が遠ざかり、この森が人工的なものであることをすっかり忘れます。
きれいだなぁ、幹の太さに宿る力強さ、わっさわっさと繁る梢の清々しさ、ずっと歩いて行けそう。
伏見桃山陵も広大な森の中ですが、違いは人の多さです。
伏見が森閑とした木立であるのに対してこちら、国の内外の参拝者がとても多く、子どもたちが走り回ると砂塵が舞い上がるほどです。
さて、この神社にはパワースポットがいくつかあります。
・大鳥居
台湾から運ばれた樹齢1,500年を超えるヒノキで作られており、あふれる生命力を得られるとされています。
・日本酒の酒樽前
明治天皇はワイン好きで有名で、この酒樽と向かいのワインの酒樽の前は強いパワーが得られるそうです。
・夫婦楠
拝殿前にある2本の楠(くすのき)は仲の良かったご祭神の明治天皇ご夫妻にちなみ、恋愛成就や夫婦円満のパワーが溢れているそうです。
本殿を参拝した後にこの2本の木の間から本殿に向かって参拝するのが最も後利益を得られるとされています。
写真ではわかりにくいですが左側の楠です。
2本の間に紙垂(しで)が張ってあります。
・清正井(きよまさのいど)
これは明治神宮の中でも最も有名なパワースポット、静かにこんこんと澄んだ水が湧き出る井戸は、江戸時代に加藤清正が自らの手で掘ったという逸話があります。
風水上、富士山から鳥居へ向かう気の流れである龍脈の上にあるとされ、この井戸が気の吹き出す龍穴となっています。
この湧水は悪い気を浄化して運気をアップさせるパワーがあり、特に金運アップに効果があると言われています。
ただし、清正井は陰陽の気がはっきりと分かれる陰呼の場所と言われているため、陰の気が満ちる夕方以降や雨の日に行くと逆に悪い気をもらいやすいので、晴れた日の昼間に行くことが重要なのです。
四季折々の花が咲く明治神宮御苑の奥にあり、入園料500円が必要です。
う~じんは何度も参拝したことがあるそうですが、パワースポットのことは知らなかったと言って興味津々の様子、わたしもせっかくのおのぼりさん旅行なんだからとありがたくパワーを享受しました。
パワースポットは他にもありますが、あまり欲張らずにこの辺で、きれいな気をもらって神社をあとにしました。
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