『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』
ずっと観たかった映画を帰省中のう~じんと一緒に観てきました。
家でも学校でも閉塞感を抱えて暮らす高校3年生の百合は進路を巡って母親とぶつかり、家を飛び出し防空壕跡に逃げ込む。
いつのまにか寝てしまった百合が翌朝目を覚ますと、そこは1945年の6月、戦時下の日本だった。
百合は偶然通りかかった彰に助けられ、軍の指定食堂に連れていかれる。
女将のツルや勤労学生の千代、そして彰の仲間たちと出会い、いつしか百合と彰は恋に落ちる。
しかし、彰は特攻隊員で、間もなく命がけで戦地へ飛ぶ運命だった。
館内はほぼ満席、客層は若い女性が圧倒的に多く、わたしのようなおばさんと男性はあまり見当たりませんでした。
さて、泣けると前評判の高い作品でした。
わたしも大きめのタオルハンカチを持っていきました。
たしかに、タイトルからして彰は任務を全うし、百合と結ばれることはなさそうだし、胸が詰まる場面はいくつかあります。
現代人の百合の特攻隊なんて無意味だという考えはもっともです。
もうすぐ戦争は終わり、その後日本は復興する、平和になるということを知っているから言えることであって、当時、一億火の玉で戦っている人たち、お国のため愛する人を守るために飛ぶことを疑わない彰の信念とは相容れません。
「ふたりで逃げよう」
百合の言葉に
「そうだそうだ、あと2ヶ月、山の中にでも身を隠して生き延びるんだ」
う~じんはそう思っていたそうです。
思ったことが言えない、国民が大本営発表を信じていた、負けるなんて口が裂けても言えなかった時代、現代人からは想像もつかない異常な時代を知るということでは有意義な作品です。
館内の人たちはほぼすすり泣き、映画が終わってもみなさんすぐに立ち上がらない状態でした。
若い人たちが戦争や平和について考えるきっかけになったらとてもいいことです、その時代はほんの70~80年前のことなんですから。
福原遥ちゃんはNHKの朝ドラ『舞い上がれ』水上恒司くんは『ブギウギ』松坂慶子さんは『らんまん』それぞれの印象が強くて、人物の設定に慣れるまでにわたしはちょっと時間がかかりました。
特に『ブギウギ』で結核療養中の水上恒司くんが福原遥ちゃんを背負って走る場面では、病気がぶり返し血を吐くのではないかと心配で、泣くどころではありませんでした。
*画像は映画公式HPからお借りしました。
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