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2023年9月18日 (月)

ハワイ・パールハーバー

学校の授業で日本史を学んでいたころ、3学期ともなると、どうしても受験用の内容が中心になって来ます。
明治維新から日本が世界を相手に戦争をして、昭和時代には太平洋戦争で列島は焼土となり敗戦を迎えたあたりは
「各々教科書を読んでおいてください」
とすっ飛ばされた記憶があります。
江戸末期の不平等条約から日本が戦争を繰り返していく近代の経緯、ここら辺は『いい国作ろう頼朝さん』より丁寧に教えるべきだと、大人になった今は思っています。

さて、パールハーバーツアーに参加して来ました。
軍事力・経済力でアジアを牽引する日本が太平洋戦争に突入する最初のきっかけ、真珠湾攻撃は、アメリカではどう捉えられているのか、とても興味がありました。

このツアーの集合は朝が早くて、まだ暗いうちに出発です。
軍隊の施設を見学するのですから、入館に際しての注意事項は色々とあります。
特に重要なのは手荷物は持って入れなくて、ポケットに入るだけの貴重品のみです。

まず、アリゾナ記念館のエリアへ
映画『パールハーバー』を思い出す風景が広がります。

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博物館、シアターなどで見る時代背景はあらかた中立に描かれていました。
アメリカ側の被害も相当に大きく、鮮明な写真と遺物が並んでいました。

船に乗って海上へ
白い制服の水兵さんが操縦します。
「ようこそみなさん」みたいなお気楽な感じではありません。
何をおっしゃっているのかよくわからないけど、施設の簡単な紹介と注意事項。
厳粛に見学しなくてはならないんだなと理解しました。

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アリゾナ号は真珠湾攻撃で1,177名の兵士とともに沈没した艦船、現在もパールハーバーに沈んだまま静態保存されており、その上にアリゾナメモリアルという記念館があります。
白い建物が記念館。

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船の上には今でも船体から流れ出た油が浮いていました。

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少し場所を異動して、戦艦ミズーリが停泊しているエリアへ
こちらも軍事施設なので、検問所を通って橋を渡っていきます。

真珠湾航空博物館
アメリカ製作の歴代戦闘機の他、アメリカ領土に不時着した日本のゼロ戦などもあります。

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じっちゃんの画像とともに・・・
「じっちゃん来たよ、ハワイへ行こうと誘ったら複雑な顔してたから実現しなかったけど、真珠湾はいろんな意味でとても静かなところだよ」

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Hirosi
ジョージ・ブッシュが若いころ乗っていた戦闘機とその記録なども展示されていました。
貴重なものが展示されているのでしょうが、戦闘機には詳しくないのでそのすごさがよくわかりませんでした。
海外へ行ったら必ず買うその土地でのガーガーバード、これはパイロットダック。

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屋外には戦闘機がたくさん、ちょっと無造作に展示されています。

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現役の倉庫、真珠湾攻撃で爆撃を受けた窓ガラスは補修する資金がないわけではなく、この奇襲を忘れないようにそのまま残してあるんだそうです。

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またもやもう少し場所を移動して、戦艦ミズーリ号が停泊してるエリアへ。

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ミズーリ号は、内部も見学できます。
一旦引退しましたが、中東戦争で復帰したそうです。
教科書で見た、降伏文書の調印式のデッキ。

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東京湾での調印式では、ミズーリ号の周囲に、連合軍の軍艦が威圧するかのようにずらりと取り囲んでいたこと、調印文書には国名の下に代表者がサインするべきなのに、カナダの代表が国名の上にサインしたもんだからその次の人から順送りとなり、一番下のニュージーランドの欄では、国名の下にサインがなかったこと、日本の最高責任者、重光葵は戦時中の爆撃で片足を失っているから、調印式の日、乗船から調印式の会場まで何分で到達できるか、連合軍側は何度もシュミレーションを繰り返し時間設定したこと・・・などの裏話は興味深かったです。

当時のままの船室
奥の方から調理する音、食器が触れ合う音などが聞こえてきます。
誰かいるのかと思いましたが、これはあまりに静かすぎるので演出で音を出しているのだそうです。

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ハワイの学校の社会見学では、大方の子どもがここを訪れて歴史を学習する、大人はお墓参りのような感覚で見学に来る、日本の広島のようなところだとガイドさんの説明でした。

戦勝国の余裕や観光で来る日本人を意識してのことかもしれませんが、日本を悪者と決めつけてなくて、敬意を払っていると思われる場面があちこちに見られ、冷静に見学できました。

例えば、ミズーリ号に突撃して来た零戦の兵士の遺体は、艦長の指示で水葬にされたそうです。
大方の反対の中、館長は「亡くなった兵士には敵も味方もない、敬意を持って送るべきだ」と。
棺は急きょ縫い合わせて作られた旭日旗で覆われ、しめやかに葬送されました。

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零戦が突撃してきた箇所、凹んでいます。

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今も世界のどこかで起こっている戦争、出征する人、亡くなっていく兵士、見送る家族、背景にある市民のつらい生活、何のための誰のための戦争なのかと、なんだかしみじみしたツアーは、全行程8時間、見ごたえありました。

 

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コメント

れいちさん
前記事から親子3人水入らずで、ハワイを楽しまれた様子が伝わってきます。いいなあ~

ところで、ハワイに行った方は多いですが、パールハーバーツアーに参加した方の話を聞くのは初めてです。
記事を拝見しながら、韓国のDNZツアーを思い出すとともに、またさらに多くの亡くなった若い命を思いながら厳粛な気持ちになりました。

我々の世代はまだ親が戦争を体験していて、当時の話を聞きながら育ったので、余計かもしれません。
若いう~じんさんは、どのように受け止めたのでしょうか…

わが家もハワイに行くことがあれば、このツアーに是非参加してみたいものですが、8時間コースときいて、ちょっとビビっています。こりゃ体力のある60代のうちに行かなきゃダメですね!


投稿: 秀子 | 2023年9月18日 (月) 10時27分

秀子さん
このツアーでは、ミズーリ号の内部が一番興味深く見学できました。
甲板での調印式その他の説明、迷路のような船室、すべて日本語ガイドがついてくれましたので、わかりよかったです。

う~じんが計画の段階であれこれOPツアーを提案してくれて、日本の近代史が大好きなB男くんが乗ってきました。
戦争って、ついつい身びいきで全体を見てしまいがちですが、両方から見る、聞く、学ぶ、大事なことですね。

朝の早くに集合するのは、アリゾナ記念館へ行くボートの乗船で並ばなければならないからです。
8時間の日程ですが、お昼過ぎには終わります。
日程に余裕があり、自由時間も多くとってますのでしんどいことはないです。

ただ、参加費は決してお安くはないです、は~あ。

投稿: れいち | 2023年9月18日 (月) 17時53分

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