満中陰
七日ごとのお参りの集大成、父の49日の満中陰を終えて先日無事に納骨をすませました。
実家のあたりでは、2~30年前まで村のはずれの小高い丘に土葬するのが慣わしでした。
子どものころ、肝だめしにこの丘に上がった男の子がいて、大人にこっぴどく叱られたものです。
その後火葬が一般的になりつつあるころ、父はお寺の近くに用意された新しい墓地に区画を買い墓碑を立てました。
明るく広い敷地は、お年寄りにもお参りしやすい平地で、ゆったりとした配置になっています。
しかし、その墓地は墓地としての使用許可申請から長くかかり、最近やっと法的に墓所としての使用と納骨ができるようになりました。
七日ごとの中陰参りを7回、ようやくお寺の行事もひと段落ついて、みんなホッとしました。
特記すべきは、実家の兄の長男のこどもたち(小学校低学年男子)が毎回お参りしてくれて、和尚さんの読経に合わせ大きな声でお経を唱えることです。
お寺には勧行本というお経に平仮名がふった本が置いてあって、大人も子どももこれを見ながらお経を唱えるのです。
しかし子どもたちは、本に載っている定形文だけでなく、和尚さんがその都度その人に合わせて『〇月〇日、俗名〇〇こと〇(戒名)〇』と言う部分も覚えてしまって、和尚さんの独特の節のついた口調を真似て言うのです、大真面目です。
先日、う~じんが帰省して六七日の法要に行き、この子たちのそばに座ったら、とても上手にお経を読み、さらにオリジナルな部分もそっくり真似して唱えるので、可愛いやら笑えるやら和んだと言ってました。
和尚さんからもおとなしく座ってえらいね、と褒めてもらってました。
この子たちは、隠居おじいさんの死を通してたくさん学んだことでしょう。
この子たちが大人になってこの田舎に住み続けるかどうか、そのとき冠婚葬祭のやり方はどう変わっているかなど知る由もありませんが、人の命の重みを忘れないで素直に育って欲しいと願っています。
【私信】
父の葬儀からこの方、お便りやメールでお悔やみをいただいた方々にこの場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました。
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