『怖い絵』展
関西の夜のテレビ番組で『ビーバップ!ハイヒール』というバラエティがあります。
この番組の中で『本当は怖い〇〇』というシリーズがあり、『名画に潜む恐怖』とか『本当は怖い童謡』とか、とにかく一見怖くないような絵や曲が見方を変えれば、あるいはその背景を知れば、とても怖いものである・・・みたいな内容がとてもおもしろいんです。
この名画シリーズに解説者として登場されるドイツ文学者で早稲田大学の講師、中野京子さんの噛み砕いたお話がとても面白くて大好きでした。
さて、神戸の兵庫県立美術館で開催されている『怖い絵』展は、この中野京子さんの監修とあって、こういうのが大好きなあねことふたり、勇んで出かけました。
展覧の目玉は『レディ・ジェーン・グレイの処刑』です。
ジェーン・グレイはイギリスの貴族の生まれで、周囲の大人の陰謀で女王に即位したものの、その陰謀が明るみに出るとメアリー1世により廃位され、その後斬首刑に処せられました。
在位期間はわずか9日間、処刑されたときは16歳でした。
古代から彼女はクイーンとは呼ばれず、レディ・ジェーン・グレイと呼ばれ、正当なイングランドの君主とはみなされていなかったのですが、こんにちの王室は正式に歴代女王のひとりに数えていると言うことです。
首を載せる台を探す白い手、薬指には真新しい結婚指輪、豪華な上着は脱がされ白い衣装で刑に処せられるジェーン・グレイ、その絹の質感が暗い部屋の中で際立っていて美しくそして怖い。
実物の絵は壁一面ほどの大きさで圧巻です。
これは入り口に置かれた『キルケー』の撮影用パネルです。
キルケーはギリシャ神話に出てくる魔女で、彼女が差し出すワインを人間が飲むと豚にされます。
彼女の足元には豚にされた人間が描かれています。
丸い部分は鏡になっていて、撮影しようとする人間が写りこむようになっていて、これもなんだかちょっと怖い。
イヤホンガイドは吉田羊さんで、絵の描かれた背景を聞きながら鑑賞するととても興味深いものになりました。
関西での展示が終わると、東京の上野の森美術館での開催です。
興味のある方は是非足をお運びください。
| 固定リンク
コメント
毎日暑いですね。こんな時は、すずしい美術館で芸術観賞が一番です。
見に行かれましたのね。
私も興味があったのですが、解説を読んでいたら怖くなってやめました。
この夏は、いい展覧会を見つけられずに、退屈してます。鳴門市にある大塚国際美術館に、一度行きたいと思っているのですが…。
投稿: みや | 2017年8月 5日 (土) 16時42分
みやさん
お久しぶりです。
台風来てますね。
またもや九州を直撃するようで、もういい加減にしてって感じです。
兵庫県立美術館、立地が良くて、あねこのところからも近くて、素敵な企画で、大満足でした。
実はこのあと、中野京子さんの『怖い絵』の本まで買っちゃって、えへへ・・・どっぷりです。
でも一人で行くのはちょっと厳しいかも・・・
めちゃめちゃ怖いってことはないけど、じわじわ怖いからね、いっひっひ。
大塚美術館って、製薬会社がやってるところですね?
入場料が高いのに、すごい人気なんですって?
うちからは遠いなぁ。
みやさんのところからも・・・海を渡らなくてはならないですね。
投稿: れいち | 2017年8月 5日 (土) 22時17分