« 2012年12月 | トップページ | 2013年2月 »

2013年1月29日 (火)

『東京家族』に思う、平凡であること

Photo


昭和を描いた映画が大好きなB男くんに誘われ見てきました『東京家族』
正直、映画館で見るほどの内容ではなさそうやん・・・と腰の重かったわたしでしたが、途中からいろんなことを考えさせられました。

瀬戸内海の小さな島で生活している夫婦、周吉ととみこ。
東京にやって来た彼らは、個人病院を開く長男・幸一、美容院を営む長女・滋子、舞台美術の仕事に携わる次男・昌次との再会を果たす。
初めこそ互いを思いやっていたが、のんびりした生活を送ってきた両親と、都会で生きるこどもたちとでは生活のリズムが違いすぎた。
少しずつ深まる溝…。
そんな状況に寂しさを覚えた周吉は、やめていた酒を飲んで騒動を起こしてしまう。
一方のとみこは、何かと心配していた昌次の住まいを訪ね、そこで恋人の紀子を紹介される。
上機嫌で帰宅したとみこだが、突然倒れてしまい―。

どこにでもありそうな家族の、どこにでもありそうな日常は、見る人によっては物足りなく感じるかもしれません。
そんな平凡が描かれているだけなのに、随所で涙腺が緩むのはトシのせいでしょうか。
こどもたちだって親を歓待する気持ちはあるのに、父親は不器用な感情表現しかできなかったり、タイミングが悪かったり。
こどもたちがお金を出し合って両親を高級ホテルに送り込んだ日、ベッドに腰掛けて窓から観覧車を眺める老夫婦の後ろ姿に「それは違うやろ・・・」と泣けました。

長く離れて生活していると、親子といえども意思の疎通はむつかしく、たまに出会うとおかしな方へ向かう遠慮と思いやり・・・。
結局、結婚したこどもというものは他人と思ってしかるべし、ってことなんですね。
「こどもらが結婚したら、たびたび訪ねて行ったらあかんなぁ」
と、帰り道B男くんがしみじみ言うのがやけに現実的で脱力してしまいました。

ときどき平凡であることをつまらないと感じる日々があります、否、ありました。
しかし、未曾有の大震災や原発事故を経験した今となっては、平凡であることのありがたさは身にしみて感じています。
そんな平凡をここまで普通に描いた作品は、やっぱり秀逸だと思いました。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013年1月23日 (水)

映画『レ・ミゼラブル』

Lesmise_main

『レ・ミゼラブル』
わたしがこどものころは、『ああ無情』という題名の本が、世界文学全集などのひとつとして学級文庫に並んでいたものです。
Les Misérablesとは、悲惨な人々という意味だそうで、シャンゼリゼ、凱旋門、エッフェル塔・・・おしゃれな街フランスにもこんな悲惨な時代があったということを再認識する映画です。

Photo_2

格差と貧困にあえぐ民衆が自由を求めて立ちあがろうとしていた19世紀のフランス。
ジャン・バルジャンは、パンを盗んだ罪で19年間投獄され、仮釈放されたものの生活に行き詰まり、再び盗みを働く。
しかし、その罪を見逃し赦してくれた司教の慈悲に触れ、身も心も生まれ変わろうと決意。
マドレーヌと名前を変えたバルジャンは工場主として成功を収め、市長の地位に上り詰めたが、警官のジャベールは彼を執拗に追いかけてくるのだった。
そんな中、以前バルジャンの工場で働いていて、娘を養うため極貧生活を送るファンテーヌと知り合い、バルジャンは彼女の幼い娘コゼットの未来を託される。
ところがある日、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、法廷で自分の正体を明かし再び追われることになり、ジャベールの追跡をかわしてパリへ逃亡。
コゼットに限りない愛を注ぎ、父親として美しい娘に育てあげる。
だが、パリの下町で革命を志す学生たちが蜂起する事件が勃発、バルジャンやコゼットも次第に激動の波に呑まれていく……。

仮釈放からわずか8年で市長になったジャン・バルジャン、司直の追っ手をおそれながら民衆に顔を晒す市長によくぞなれたもんね、原作がそうなのだから仕方ないか・・・このあたりまだストーリーに入りきってないわたし、囚人のときより若いメイクのヒュー・ジャックマン。

Jann

ラッセル・クロウは、私生活でいろいろとモンダイ行動が多く、あまり好きな俳優ではないのですが、悲しみをたたえた瞳と歌声はさすが、うまい。

222_2

ああかわいいアン・ハサウェイちゃん。
『プリティ・プリンセス』や『プラダを着た悪魔』でのキュートな演技とは違い、長い髪を切られ歯を抜かれ、涙とよだれを垂らしながらの熱演、か細くあるいは力強く歌う姿は貫禄さえ感じられます。

33333

だんだん引き込まれていくぞ。
さて、脇役たち。

これは大きくなったコゼット役のアマンダ・サイフリッド。
『マンマ・ミーア』では高音のきれいな女優さんでした、いい感じで活躍していますなぁ。
もうちょっと清楚な感じがほしかったけれど。

55555_2


この男(左)はマリウス。
美しく成長したコゼットを思ういい役どころなのですが、いかんせんアップになると貧相で肌も汚い。
下水の中にどぼづかり、半死にで連れ回されて最悪。
周りの学生の方がなんぼかオトコマエ。
エディ・レッドメインって俳優さん、ただ、歌うと声に張りがありとてもうまいです。

44444

あはは・・・
このおばさんヘレナ・ボナムカーター、飲み屋をやりながらせこい盗みをやっています。
直近では『英国王のスピーチ』でお上品な国王夫人を演じてましたのに・・・。

66666

おばさんの娘エボニーヌ役のサマンサ・バークスです。
マリウスに恋心を抱く娘役、けなげです。
最期は泣けます。
この人、舞台ではさんざんエボニーヌを演じてきて、やっと映画のオーディションで役を勝ち取ったそうです。
映画の最中でも思ったけれど、この肩幅と腕の太さにしてこのウエストよ!?

77777

ミュージカルってこともあってストーリーについていけるかどうか不安でしたが、面白かったです。
こどものころは、ああ無情もモンテクリスト伯も小公女もみ~んなヨーロッパの歴史ものとしてひとくくりにしていたので、今回フランス革命やマリーアントワネットなどとはっきり区別しなくてはならないことを理解しました、ってそんなたいそうなものではありませんが。

ラストは舞台のように生者も死者も壮大なセットで歌う、ちょっとインド映画を思い出しました。

Photo_8


| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013年1月18日 (金)

家のこと

これは決して自慢でもイヤミでもないのですが・・・最近つくづくこの家の広さを持て余しています。

娘たちが出て行ってから、夫婦ふたりで使う部屋は限られていて、1階では台所と居間、2階では寝室だけ。

仏間と続きの和室は汚れないから掃除機もめったにかけません。
娘たちの部屋もベッドにカバーをかけたまま、勉強机も所在なさげにぽつんとしています。

この家を建てるとき、う~じんはまだ生まれてなくて、こども部屋の数をいくつにするか悩みながらふたつ用意しました。
また、当時まだ商売をしていた姑が、将来同居することになるかもしれないからと、南向きの明るい部屋も用意しました。

家って生きもののようです。
家族が多くにぎやかだったころは、柱も床も一緒にどんちゃん音を立てながら踊って、あちこち凹みや傷がつき、それでも楽しく笑っていました。
今では、住む人がときどき帰ってくるだけの部屋の窓は、息をひそめてじっと入口の様子をうかがっているかのよう、使わなくなって家具を出してしまった部屋の畳は、間抜けた様子で寝そべっているかのようです。

掃除はめんどくさい、固定資産税は高い、敷居の段差は気になる・・・
住み換えを言いだしたら、娘たちは揃って猛反対しました。
ここは娘たちの帰る家であり、心のよりどころであることはわかっていますが、この先わたしたち夫婦が年齢を重ねていくことを考えると、このままでいいのだろうか、と思う今日このごろです。

Img_20130118_170308aaaa

あちらの和室へ行くのに、敷居をふたつ越さなければならない。
そのうち笑い事ではなくなるだろう・・・と思う。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2013年1月13日 (日)

ナマ紅白 -歌編-

え~っと・・・

ひとつ前の記事から、紅白で司会や審査員をした人の名前で検索して、こちらを閲覧しに来てくださる方の数がものすごいことになっています。
今のところ、男性歌手やグループについては書いていませんが・・・それがよく覚えてないんです。
J事務所関係で検索して来てくれた方、すみません。
ただ、司会の嵐くんたちはカメラがあってもなかっても、少しも手を抜かず、最後までサービス精神いっぱいで頑張っていました。

さて、歌合戦ですから、歌について語らないといけませんね。

わたしたちと席が近かったカップルは、トップの浜崎あゆみが登場すると、うちわを持って大きな声援を送っていましたが、いつのまにか席を離れていました。
隣の代々木体育館で行われていた浜崎あゆみカウントダウンライブに行った模様です、ひと晩にふたつのライブ、すごいなぁ。

710579424

いろいろと物議をかもしだしたゴールデンボンバーでしたが、本番はおとなしく歌に専念してました。
事前に会場の全員にお面が配られました。
わたしが思うに・・・
メンバーが突発的なことをやらかしたら、急きょカメラを客席に切り替えるつもりだったのではないかと思います。
この画像内にかろうじて写っています、わたしと娘。

しかしまあ、この日はお面・ペンライト・投票の紅白うちわなど色々配布物があり、つけたり振ったりする練習がありましたが、本番でもみなさんとっても上手にこなしていて驚きました。
ちなみにペンライトはスイッチをオンにしたら、色は曲によってNHK側で操作されます。舞台の下に『止め』『立て』などという看板を持ったお姉さんがいて、それに従うのです。

わたしたちの後方の席には、ピンクのハッピを着た男性数名が、ももいろクローバーのときに揃って大きな声援を送っていました。
みなさん席が近くてよかったね。
ももクロちゃんたちは、生き生きと元気に歌って踊って、嬉しさを堂々と表現ながら楽しんでいるように見えました。あとで芸能サイトで知りましたが、彼女たちは紅白の出場が本当に嬉しかったんだそうです、なるほど。

わたしの前の女性はずっとおとなしく座っていたけれど、ラストのスマップではいきなり自前のペンライトを振りかざし身を乗り出して大声を出しました。
最後までぐっとこらえていたんでしょう、ここぞとばかりにハッチャけていました。

今回わたしたち母娘は、特にお目当ての歌手はいませんでした。

ところが、矢沢永吉っつぁんの曲が始まると、わたしはステージに釘付けになってしまいました。

Y

なんという声量、なんという迫力、なんというかっこいい63歳。
NHKからは2曲歌うことを提案されたけれど、ご本人が1曲で勝負したいとおっしゃったとか、とにかく1曲入魂のすばらしいステージでした。

あと、美輪明宏さんです。
普段のきらびやかさを抑えたシックなお衣装と髪型で、それはひとつの独立した舞台のようでもあり、人生の酸いも甘いも十分に噛み分けた人の作り上げる世界はさすがでした。

2012123100000519sanspo0006view

ああ、楽しかった。

スターは本来、高い空で輝く星のように手の届かない存在です。
普段テレビでしか見られないスターが一堂に会す紅白歌合戦、しかも歌手、俳優、オリンピック選手など実にたくさんのスターをナマで見られて本当に幸運でした。

みなさん、機会があればぜひハガキを書くことをオススメします。
そして、大晦日、NHKホールで会いましょう。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013年1月 9日 (水)

ナマ紅白 -衣装編-

有働由美子アナは、テレビを通して見るよりずっとスタイルがいいです。

Photo

紅組司会の堀北真希ちゃんが小さい顔と細さを強調した衣装でお人形さんのように見える横で、有働さんは精神的にも肉体的にも完熟43歳の美!でした。

昨年末の紅白歌合戦にかかった費用は3億円、そのうち海外からの中継ではアメリカからの由紀さおりさんが1000万円、アフリカからのMISIAの場合は6分間で5000~6000万円かかったそうです。
そのせいもあるのでしょうか、ステージのセットは少なくて映像でのデコレーションがほとんど、歌手の交代のときはモップで紙吹雪を掃くくらいでとてもスムーズな進行でした。
三原綱木氏指揮による生演奏もなくてカラオケだったそうで、徹底した節約ぶりでした、でもMISIAは6000万だって・・・。

まず、メガ衣装とかラスボス芸とか言うジャンルで今回出場が叶わなかった小林幸子さんですが、会場に行けるんならやっぱりちょっと見たかったなぁ、と思っていたら水森かおりさんがやってくれました。

989fe1cc

衣装デザインは桂由美さん、6m30cmまで上昇したそうです。
周りのダンサーの4倍ほどの高さ+自分の身長ですからかなりの高さ、『昨年5月に亡くなった天国の社長に近づきたかった』と言うことです。
これでもかっ的にぐんぐん上がりましたが、上がるだけじゃなくて回ったらいいのに、って思ったのはわたしだけ?
舞台の袖に引っ込むまでニコニコしながら、高いところから何度も何度も手を振っていたのが印象的でした。

わたしは個人的に西野カナちゃんの曲が好きです。
一時激太りなどと言われましたが、なんのなんの、足なんて折れそうに細くて、大階段を降りてくるときこけやせんかと心配したものです。

Nk

この衣装は、韓国の祭事用のお菓子を思い出しました。

D4a22b7b19fb51e1c4916eb6ff94b5a1

倖田來未さんです。
出産してもここまで戻したのよ!みたいな挑戦的な衣装でした。
脇腹足の付け根あたり、ちょっと・・・なのはご愛嬌です。
帰りのタクシーで運転手さんが
「來未ちゃんの衣装、どんなだったどんなだった?」
って聞いてきました。
仕事中だったのでラジオでしか聴けず、気になっていたのだそうです。

Photo_2

Perfumeの3人です。

Ph

いつもすごいハイヒールでダンスを披露してくれてますが、よく靴が脱げないもんだと不思議でした。
そしたら、足元にこういうものを付けているのが見えました。

Sba01_1

シューズバンドというもので、透明のバンドで足と靴とをしっかりしばっているんですね。
ちなみに、天災などで電車が動かなくなって歩いての帰宅を余儀なくされたら、こいうふうに紐で足と靴をしばると歩きやすいそうです。
ひもがなかったら、ストッキングで代用するんですって。

さて、開幕直前ステージには、審査員が登場して挨拶がありました。
綾瀬はるかちゃんはきれいでした。

Oth13010105080020p5_2

衣装は真っ白の何も飾りのない、ややぶかぶかに見えるドレスで、ちょっともったいない気がしましたが、そこは女優さん、全体の雰囲気に花がありますのでなんでもOKなんです。いずれ有名どころがデザインしたドレスなんでしょうね。

他にも審査員やゲストにオリンピックのメダリストが多数出演されてました。
柔道の松本薫さん、競泳女子の鈴木聡美さん、卓球女子の石川佳純ちゃん・・・。
みなさん振袖でしたが、松本さんの振袖がいっちばんよかった。
上品で豪華で輝いていました。
しかし彼女、ステージに上がると司会のスペースで、目の前に落ちてくる紙吹雪をずっと手で掴んでおりました。

セットが地味な分、ゲストはともかく出場者のみなさんは自前の衣装を凝らねばならず、出演料も少ないらしいのに大変ですね。
                             ・・・つづく

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年1月 5日 (土)

新年のごあいさつと・・・

Photo_4

皆さま、今年も何とぞよろしくお願いします。

さて、紅白歌合戦です。

Photo_6

31日、あねことわたしはお昼ごろに渋谷のNHKホールに着きました。
並んでいる人がいます。

111

事前の説明書では『座席の引換は午後3時から、席は並び順に関係ありません』とありますが、明らか徹夜組の常連グループが先頭から何組かおられます、これって並び順に関係ないって言えるのか?

わたしらも並びました。
この時点で行列は300人ほどでした。
前に並んでいる日野原重明似のおじいさんは、常連組です。
「1階席なんて関係者がほとんどで、ハガキで入る人には少ししか割り当てられないんだよ」
と言いました。
後ろに並んでいる関西からのご夫婦も
「一昨年はゆっくり来て3階席だったから今年はリベンジなんです」
と言いました。
え~!?
そのときあねこが
「さっきスタッフの人に並び順は席順に関係あるのかって聞いたら、行列の前の方でも3階席ってことがあります、って言ってたけど、行列の後ろでも1階席になることがあるとは言わなかった」
と言いました。
な~るほど、徹夜組はたぶん1階席ってことね。

日野原さんはハガキを9枚書いて当てたと言いますと、関西夫婦は700枚も書いたと言いました。
オークションで30万円の値がつくはず、元手がかかっているんです。
こうしてわたしたちは情報を共有したり、椅子を貸し借りしたりと親近感が生まれました。
会場からはギターのベース音が聴こえてきて、雰囲気も盛り上がるうちに午後3時となり、ハガキ1枚につきおひとり様だけが並ぶように言われ、入場券と座席券との引換えが始まったのです。

徹夜組はにんまりしています、やっぱり・・・。
わたしたちは、2階の右側でした。
ステージにはちょっと遠いけど、会場が小さいのでよく見えます。
そして、近くに並んでいた人たちは会場でもだいたい近くにかたまっていました。

つまり、並び順にだいたいのエリアが割り当てられているようでした。

Photo_7
ぺらぺらのスカートで並んでいたあねこ、あったかい日でよかったね。

開演前の有働アナの前説に笑い、さて、本番は
                                 ・・・つづく。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

« 2012年12月 | トップページ | 2013年2月 »