好きな歌
今日の午後、職場近くの中学校の体育館では、マイクで百人一首を読み上げる声が朗々と聞こえてきました。
全校かるた大会でもやっていたのでしょうか、ときおり歓声・嬌声なども混じり華やかな雰囲気が窓からこぼれていました。
ふっと好きだった歌を思い出しました。
人知れずこそ 思ひそめしか
壬生 忠見
恋をしているというわたしの噂が立ちはじめた 誰にも知られずそっと思い始めたばかりなのに
物や思ふと 人の問ふまで
平 兼盛
あの人に恋している気持ちは隠してきたつもりなのに 「恋をしているのですか」と人から聞かれるくらい ぶっちゃけ表情に出てしまった
昔は物を思わざりけり
権中納言 敦忠
あの人に会いたいと思っていた頃の気持ちなど 「逢い見た」後の気持ちに比べたらたいしたことないものだなぁ
「逢い見る」とは男女の関係になること、こんなことは学校では教えてくれなかった。ちなみに敦忠のカノジョは右近という歌人。
右近が詠んだ歌は
「忘らるる 身をば思わずちかひてし 人の命の惜しくもあるがな」
あなたがわたしのことなど忘れてしまって、わたしが不幸になることなど何でもないことです でもわたしのことを忘れないと誓ったあなたに天罰が下り、死んでしまわないかとシンパイなの
天罰かどうかはわかりませんが、敦忠は病気で38歳で亡くなります。
右近はかなりのモテ女だったようで・・・。
***** ***** *****
恋のステップを踏んでいくように、この上の三首が特に好きでした。
昔の人もけっこうストレートに気持ちを表現してたのね。
いやぁ恋する気持ちは、いにしえの昔も今も変わりませぬなぁ。
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コメント
百人一首
高校の時、冬休みの宿題で全て覚えさせられた。
けど、今はひとつも覚えていない。
その意味なんて なおさら・・・
恋愛の れ の字も知らない程縁遠い世界だったからなぁ。
投稿: ふじ | 2007年1月13日 (土) 17時51分
ふじさん
わたしも覚えさせられましたよ。
大人になってからは、自分の意思で解説本を買い求めて読みました。
限られた字数の中に、なんとたくさんの想いが込められていることか・・・感動ものでした。
>恋愛の れ の字も知らない程縁遠い世界・・・
多感な高校時代、恋愛とは縁遠かったのですか!?
それは惜しいことをしましたね。
ひょっとして勉強ばっかりしていたのですか?
ところで、ふじさんの家の蔵にはすごい年代モノの百人一首が眠っていそうに思いますが・・・。
投稿: れいち | 2007年1月14日 (日) 08時49分
こーいう内容の記事を書いてみたい・・・
百人一種、覚えされたけど、覚えた記憶がない><
どうやってそのことを逃れたんだろう、記憶がない><
だもの、書けるわけがない!(爆)
それでも今、親やってます・・・
ごめんなさ~いだわ<(_ _;)>
投稿: ゆかりん♪ | 2007年1月15日 (月) 11時38分
ゆかりん♪さ~ん
わたしは、勉強しないでこんなことにばっかり興味を示す「をとめ」だったのですよ。
でも、覚えているのは恋の歌ばかり、季節の歌には食指が動かず!
で、百人一首でカルタとりしても、たいしてとれないんですわ。
今でもなかなかのロマンチスト、恋の妄想がぐるぐるすることがありますの、お~ほっほっほ。
投稿: れいち | 2007年1月15日 (月) 18時02分